日本では日ごろから頭痛に悩まされている方が多いです。日本人の3人に1人が頭痛に悩まされています。これは日本の人口からすると3000万人以上が頭痛に悩まされているということになり、比較的身近な疾患であるといえます。しかし、たかが頭痛と軽視してしまうと取り返しのつかないことになる可能性も大いにあります。そこで、今回は、頭痛の種類や治療方法について解説していきます。
頭痛の種類
日本人に多い頭痛には大きく分けて3種類あります。
1つ目は片頭痛です。脳の血管が拡がることで血管壁が神経を刺激してしまい、その結果として痛みを生じます。
血管はリラックスしている状態で拡がるという特徴があります。そのため、ストレスから解放されている休日や仕事後などのプライベートな時間で起こることが多いです。
2つ目は緊張型頭痛です。肩や首など頭の周辺の筋肉が緊張することで起こります。筋肉が緊張することで血流が悪くなってしまうので、老廃物が溜まりやすくなります。
その周辺の神経が刺激されることで緊張型頭痛は起こるのです。身体的、精神的なストレスでも筋肉は緊張しやすいですが、デスクワークの方は同じ姿勢を長時間とり続けることになるので緊張型頭痛が生じやすくなります。
3つ目は、基礎疾患のある頭痛です。脳出血やくも膜下出血、脳腫瘍などの疾患が原因で頭痛の症状がでている場合があります。
この場合には命の危険に関わる重大な頭痛なので、痛みを感じたのに放置してしまうのは大変危険です。激しい頭痛を感じたら救急車を呼んで脳神経外科を受診する必要があります。
この他にも細かく分けるとさまざまな頭痛があるので、自分の頭痛がどのタイプなのか知ることは重要なことです。
頭痛の治療方法
頭痛の種類によって治療方法は変わってきます。
片頭痛の場合には、血管が拡がることで起きるわけなので、脳の血管を拡げるミグシスという薬が用いられます。
作用が逆のように感じるかもしれませんが、常に血管を拡げて神経に触れた状態にしておくことで刺激を与えないという考え方です。ミグシスによって血管を拡張して片頭痛を予防するわけですが、それでも片頭痛が起きた時には血管収縮作用を持つトリプタン系薬やエルゴタミン製剤が頓服で用いられます。
緊張型頭痛の場合には、片頭痛のような特効薬がないためロキソニンやバファリンなどの痛み止めを用います。また、肩こりが原因であると医師が判断した場合には、筋肉の緊張をほぐす薬が処方されることもあります。
基礎疾患のある頭痛の場合には、原因となる疾患の治療を行います。頭痛の根本となる疾患を治療していくことで頭痛をなくしていく治療方法となります。
頭痛は身近な疾患ですが、放置してしまうのは危険を伴います。軽度な頭痛だったとしても頻繁に起こるようなら医療機関を受診した方が良いでしょう。