感染性胃腸炎

12~2月の冬場にかけて増えてくる感染性胃腸炎ですが、罹患してしまうと一定期間苦しい期間を過ごすことになるでしょう。抵抗力の弱い高齢者では死に至るケースもあります。平成17年には高齢者施設にて感染性胃腸炎での死亡ケースが続出したことがニュースで取り上げられました。そこで、この記事では感染性胃腸炎の原因、治療法、予防方法について解説していきます。

感染性胃腸炎の原因

感染性胃腸炎とは細菌やウイルス、原虫、寄生虫などさまざまな微生物が体内に侵入することで引き起こされる胃腸炎です。
ウイルス感染によって起こるウイルス性胃腸炎と細菌感染によって起こる細菌性胃腸炎が感染性胃腸炎のほとんどを占めています。
感染経路は接触感染と経口感染です。接触感染とは病原体が付着したものに手などが触れてしまうことで感染することです。経口感染とは、病原体が口から体内に侵入することで感染します。
生牡蠣が当たったという表現がありますが、これはノロウイルスに汚染された牡蠣を食べたことによって経口感染したということです。

感染性胃腸炎の症状と治療

感染性胃腸炎の症状は下痢や嘔吐です。これに加えて発熱や腹痛を伴うこともあります。
治療方法としてはウイルスや細菌に対して薬を使って直接殺すことはせずに、対症療法を行いながらウイルスや細菌の排泄と自然治癒を待つことになります。
なぜなら原因となる細菌を特定するには時間がかかります。特定している間に治ってしまうからです。また、検査で陰性がでてもウイルスの種類は多岐に渡るため感染性胃腸炎を否定できないという側面があります。そのため、検査は必須ではなく症状から診断していくことが多いです。そのため、小児や高齢者でない場合や重症でない場合には検査は行いません。
感染性胃腸炎の治療では経口補水液を用いて水分補給をしっかりと行うことが重要です。水分補給を行うことが難しい場合には病院を受診して点滴をするという選択肢もあります。

感染性胃腸炎を予防するには

ウイルス性胃腸炎でも細菌性胃腸炎でも重要なのは、手洗いとうがいです。汚染されたものを触った手から口に入ってしまうこともあるので、手に付着した病原体はしっかりと洗い流す必要があります。外から帰ったら必ず、手洗いうがいをしましょう。家族で住んでいる方は家族全員で手洗いを徹底することが重要です。家族の中で1人でも手洗いを行っていない方がいるとその方を中心として家族全員に罹患してしまう可能性もあります。
アルコール消毒をするのも良い予防方法でしょう。しかし、アルコールが無効なウイルスや細菌も存在しているので、アルコール消毒に頼り切りになるのではなく、やはり手洗いが予防の基本となります。
また、食事の際の調理方法にも工夫が必要です。しっかりと火が通っていないことによって感染してしまうことがほとんどです。加熱調理したものを食べるようにしましょう。
冬場になると鍋料理を食べる機会が多くなりますが、鶏肉に付着した病原体が野菜に付着してしまいその野菜を半生の状態で食べてしまうと感染してしまいます。鍋料理の時には野菜だからといって安心できないのです。

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