福島県郡山市は福島県を代表する商工業都市で、仙台市に次ぐ東北地方第二の規模を持ちます。そんな郡山市の土木工事は、地域社会に深い影響を与えてきましたが、特に疎水の整備はその象徴的なプロジェクトの一つといえます。そして疎水の建設は、単なる水路の設置にとどまらず、農業の発展、生活環境の改善、そして都市の発展を支える重要な基盤となりました。今回はそんな土木工事プロジェクト新安積疎水について解説しましょう。
郡山市の発展の基礎となった土木工事:新安積疎水
江戸時代には小さな宿場町に過ぎなかった郡山市に相当する地域は、明治時代の安積疏水の土木工事によって猪苗代湖の水を引き込み、広大な穀倉地帯が形成されました。ただ、この大がかりな土木工事も昭和には安積疏水の老朽化が進み、新安積疏水の建設が計画されました。しかし、戦争の影響で工事が中断し終戦後、緊急開拓事業として再開され、新安積疏水は改めて計画されたのです。東京の大手総合建設会社の指揮のもと、地元の土木工事業者も多く参加しましたが、戦後の混乱と資材不足の中で進捗は遅れました。しかし、苦労の末に新安積疏水の完成により、郡山市は更なる発展を遂げることとなったのです。
土木工事業界の現状と課題
土木工事は生活に欠かせない重要な分野ではあるものの、若年層の人手不足や技術継承が遅れています。これは土木工事業界のイメージが悪いことで、休日の少なさや給料の安さ、仕事内容のハードさなどが足かせになっていることです。ただ、作業員の数が減っていることから取り合いになりつつあり、人件費は高騰しています。そのため、将来的に高給の職業になる可能性も否定できません。
土木工事の業務・機械土工業務とは?
機械土工業務と呼ばれる土木工事があります。これは、資材運搬や地面の採掘、整地などの業務です。この業務は機械が広く使用される業務であることから機械の名前がついています。ただし、無資格ではできないことから資格取得が求められる業務になります。